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塗料の値上げについてと市場の影響
コラム
今回は塗料業界の動向について説明したいと思います。
原材料の高騰や環境規制の強化など、様々な要因が塗料価格の上昇を引き起こしています。塗料価格上昇の原因と背景、そして各メーカーの値上げ率とその影響について分析します。
塗料を購入する際や予算を立てる上で役立つ情報を提供できればと思います。
塗料の値上げの原因とその背景
塗料の価格は、ここ数年で着実に上昇しています。
2021年には約15%、2022年にはさらに約15%の値上げが見られ、2023年末までには2018年比で約30%の価格高騰が予測されています。
この価格上昇の背景には、いくつかの重要な要因があります。
原材料コストの増加
塗料の主要成分である樹脂や顔料の価格高騰が、塗料価格を押し上げる大きな要因となっています。
原油価格の変動や中国の環境規制強化による化学品の供給量減少が、原材料の需給バランスを圧迫しているのです。
生産コストの上昇
原油高に伴うエネルギーコストの増加や人件費の上昇が、塗料の製造コストを引き上げています。
環境に配慮した新技術の開発投資も、生産コストを押し上げる一因となっています。
物流コストの高騰
燃料価格の上昇が運送コストを増大させ、塗料価格に反映されています。
グローバルなサプライチェーンの混乱も、物流コスト上昇に拍車をかけています。
需給バランスの変化
世界的な建設需要の高まりにより、塗料の需要が供給を上回る状況が続いています。
この需給のひっ迫が、価格上昇圧力となっているのです。
塗料メーカー別の値上げ率とその影響
2022年、主要塗料メーカー各社は軒並み価格改定を実施しました。
その平均的な値上げ幅は以下の通りです。
・シンナー類:15~20%
・溶剤系塗料:10~25%
・水性塗料、表面処理剤:8~12%
・塗料運賃:10~30%
これらの値上げは、塗装業者や消費者に大きな影響を与えています。
コロナ禍からの回復期に、予期せぬコスト増に直面することになったのです。
特に中小の塗装店は、値上げ分を販売価格に転嫁しきれず、利益を圧迫されるケースが見られます。
一方で、塗料メーカー各社も厳しい状況に置かれています。
原材料や物流コストの上昇を吸収しきれず、やむを得ず価格改定に踏み切ったのが実情です。
品質を維持しつつ、どこまでコストを抑えられるかが問われています。
塗料業界は今、原油高騰やウクライナ情勢など、先行きの不透明な要因に直面しています。
需要家、塗装店、メーカーが一丸となって、この難局を乗り越えていく必要があるでしょう。
まとめ
塗料価格の上昇は、原材料コストや生産コスト、物流コストの増加が主な原因です。
世界的な需給ひっ迫も価格を押し上げる要因となっています。
2022年、主要メーカーは8~30%の値上げを実施しましたが、これは塗装業界全体に大きな影響を与えました。
原油高やウクライナ情勢など不透明要因が多い中、業界が一丸となって難局を乗り越えていくことが求められています。
購入者としては、市場動向を注視しつつ、適切な価格判断と代替案の検討が肝要と言えるでしょう。
監修者情報
公開日:2023年10月11日